リスボンでファドを楽しむ
ポルトガルのファドとは、今でも庶民の間で根強く受け継がれている民族歌謡です。ファドは労働者階級の酒場で生まれた音楽で、通常はポルトガルギターとクラシックギターの演奏に合わせて歌われます。ファドというと寂しい曲を歌い上げるイメージがありますが、お祭りを題材にした明るく楽しい雰囲気のものもあります。
高級店ではプロの歌手が歌い、料理を楽しみながらじっくり聴き入るスタイル。一方で庶民派のストリートファドは、酔っ払った地元の人が飛び入りで歌い、独自の振り付けを交えたり、即興で観客と掛け合いをしたり、最後には大合唱になることもあります。まるでちょっとした芝居を見ているような一体感で、観客全員がファドの世界に引き込まれていきます。
ファドハウスの見つけ方は、夜のアルファマ地区を歩けば自然とファドの歌声が聞こえてきますので、気になった店に入ってみましょう。通常、演奏は10〜15分ごとに休憩が入りますので、そのタイミングを狙うとスムーズに入店できます。ファドレストランではテーブルチャージやミニマムオーダーが必要な場合もありますが、普通の飲み屋さんがやっているファドナイトならドリンク1杯でも大丈夫です。
2011年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されたファド。一時は日本の演歌のように「年配のもの」というイメージがありましたが、近年は若手アーティストが次々に登場し、若者の間でも人気が高まっています。
リスボンを訪れる際は、ぜひ高級ファドと庶民派ファドの両方を体験してみてください。ワインでほろ酔いの頭にズシンと響くファドの歌声は、言葉が分からなくても心にイメージが湧いてくるはずです。
演奏が素晴らしかったら、曲の最後に立ち上がって拍手をし、「ファディスタ!」と声をかけてみましょう。
音声は飛び入り参加した写真のおじさんのファドです。
